かなり昔のことだけど、ボクはある著名な財界人(故人)の書生みたいなのに応募したことがある。
ダメ元で履歴書や身上書を送ったら「面接するから*月*日の*時に来い」という返事が来たんで、ボクは狂喜乱舞して東京へすっ飛んで行った。
指定された日時は2日後という急なものだったが、その著名な財界人(仮にK氏とする)は即行動する人間が大好きで、言い訳ばかりしてグズグズする人間が大っ嫌いだったので、ボクは即行動した。
こんな急な日時を言って来るなんて、おそらくK氏はボクを試してるに違いない。即行動する奴か、それとも仕事だなんだと言い訳する奴かを。
当時、K氏に心酔してたボクは手前勝手な解釈をして一人喜んでいたよ。
今にして思えばK氏のスケジュールがその日にたまたま空いてただけなんだろうけど、浮足立ったボクは勤務してた学習塾へ親が倒れたと大嘘をついて仕事を休み、次の日の午後には東京の渋谷に居た。
さすがは東京の渋谷、安いビジネスホテルでも1泊1万円を超えるところばかりだったが、とりあえずチェックインして次の日の面接へと臨んだんだ。
ところが直接会った憧れのK氏は、延々と自慢話を繰り返すだけのクダラナイ年寄りに過ぎなかった。
2時間ほどの「独演会」が終わる頃には、正直ウンザリしていた。それでもマナーとして、K氏に貴重な時間を割いて頂いた礼を述べ、軽く会釈をして部屋を出た。
虚しかった。
予定では面接の後に東京の夜の街を堪能するつもりだったけど、そんな気分じゃなくなったボクはそそくさと帰りの新幹線の切符を買ったよ。
帰りの車中、裂きイカをつまみにビールをグビグビやってたら、明石家さんまが昔深夜ラジオで言ってたことが頭に浮かんできた。
「俺、好きな人(同業者の芸能人のこと)には会わへんようにしてんねん」
意味するところは、好きな人と直で会ってイメージが崩れるのが嫌ってことだと思う。
その時のボクがまさにそんな気分だった。
それから数年後、K氏はお亡くなりになった。
会わなきゃよかった・・・会わなければボクの中で素晴らしい人物として生き続けてたろうに・・・
※もちろん、面接の結果は否でした。笑
コメント
だれだろう、Kって?
えへへ、内緒w
エリトさんは意外といろいろな経験をしてるんですね
財界人のK氏というのが気になります
意外と人生山あり谷ありだったりしてw
偉い人ってたいていこうだよね。虚像と実像の世界。
確かにそうですね。実像は大したことが無いというのが現実なのかも。
ちゃっかりaa画像使いこなしてるw
えへへ、マリモンさんを抜けるよう頑張りまっす!
齢を取るというのは悲しいことで、どんなに素晴らしい人物でも、どうしても過去の業績にしがみつきがちになるんですよね
だんだん相手にされなくなってきていることが分かっていて、だから、「俺はまだこんなに凄いんだぞ」ということを言いたがる
書生を募集するのも、要は寂しいのでしょう
すみません、手違いで非表示になってました。
なんでかな???